父親たちの星条旗

 

ポール・ハギス、スティーブン・スピルバーグ、クリント・イーストウッドというドリーム・チームとも言うべき才能が結集した、とは言い過ぎだろうか。でも、監督やキャストに気に入った名があると、やはり興味は高ぶり観たくなる。

”ミリオン・ダラー・ベイビー”でもそうだったように、監督としてのクリント・イーストウッドは、観るものに苦痛をも与えるし、ポール・ハギスは、”ク ラッシュ”で人と心の痛みの連鎖を紡いで見せたようにも取れる。映画は、そんな「苦痛」から始まる。”シン・レッド・ライン”という戦争を描いた映画が昔 あったが、劇場で観てしまったが為の、衝撃を想い出してしまった。あのときは、映画館にいることを忘れ、思わず頭を低くしてしまった記憶がある。この映画 を劇場で観るなら、それなりの覚悟が必要である。耐えられないときは、目を瞑っても仕方ない。でも、その場から逃げるべきでは、ない。

 

私は、戦争映画を観る機会は多いほうかも知れない。テレビでもドキュメンタリーを観ることもある。少し義務的に感じていることもあるかも知れない。 悲惨な末路しか待たない状況を現実に人間が、しかも同じ日本人が起こしたDNAを持つことへの戒めなのかも知れない。本編は、硫黄島の戦いをアメリカ側の 視点で描いてる。第二部は12月に日本側の視点での作品として公開される。こちらも更に痛そうだ。いずれにしても、戦争は人を狂わせ、世の中をも狂わせ る。その痛みをフィルムに残そうと必死に作り上げた作品だ。逃げないことの強さを感じた。 @ユナイテッド・シネマとしまえん

 

このブログでは、実はDVDについてのみ書こうと思っていたが、今日の衝撃を忘れないうちにと、劇場で観て受けたものをここに書き留めた。 前回書いた”メルキアデス~”の出演者が重要な役で出演しているので、メル~を観られた方は、お楽しみに。

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