今度のジョニーはハートも盗む
2009.12.13映画
ジョン・デリンジャーは、1930年代に暗躍した銀行強盗だ。ジョ二―・デップは昔からこの人物が気になっていたらしく、演じてみたい役の一つだったようだ。
彼が実在の人物を演じることは珍しくないが、『パブリック・エネミーズ』No.1であった人物は、国家の敵であると同時に民衆の味方であるイメージもあったようなので、彼特有の孤独感や暗さに加えて、いつもよりも温か味を感じた。マリオン・コティヤール演じる”ジョン・デリンジャーの女”ビリーとの関係がかなりクローズアップされたせいか、仲間を見捨てない彼の行動がそういう印象を残したのか。
『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのジャック・スパロウや『チャーリーとチョコレート工場』、来年春公開予定の『アリス・イン・ワンダーランド』(ティム・バートン監督)で観られるであろう、”はじけた”ジョニデも楽しいが、たまにはメークの少ない状態で見たいファンも多いであろう。
2010年1月23日公開の『Dr.パルナサスの鏡』(テリー・ギリアム監督)では、素の彼の「仲間意識」を知ることが出来る。撮影中に急逝したヒース・レジャー主演の映画を完成させるために、ジョニー・デップ、コリン・ファレル、ジュード・ロウの3人がレジャーの役を演じ分け、映画を完成させたのである。役者同士の”つながり”を感じることが出来るエピソードだ。
ジョニーは、まだまだ面白くなりそうだ。