綾戸智絵 New Year Live 2010 “Solo”に行ってきました
2010.1.24音楽
先日、綾戸智絵さんのコンサート「綾戸智絵New Year Live 2010 “Solo”」に行ってきたのですが、いろんな方がお勧めされる理由が初めて分かった気がします。彼女が作るコンサートという空間、それはただの演奏ではなく、彼女自身が人生のいろんな局面で経験してきたことやそこから学んだこと、そして嬉しかったことや悲しかったこと、その全てがトークと歌を通して伝わってくる、そんな人間味溢れる感情が伝わってくるステージでした。
関西出身の小さいおばちゃんで、元気がよくて話が面白い。始め自分が抱いていたイメージは漠然とそんな感じだったのですが、いざコンサートに行ってみると、彼女の人柄、パワー、話の上手さ、歌の持つ力、その全てに圧倒されてしまいました。始めは「聞いたことある曲だ」なんて、「まぁこんな感じだろうな」と内心生意気に思っていたのですが、時間が経つに連れて徐々に引き込まれて行きます。きっかけは彼女自身がどうやってその歌に出会ったかの話だったり、ちょっとした時事ネタであったり、些細な話だったりするのですが、その一つ一つの話に必ずオチがあり、その場にいるお客さん達もテンポよく巻き込まれて行きます。
中でも彼女が特に強調されていたのは、こうやって多くの人が自分の歌を聞きに集まってくれる。そうやって多くの人に支えられて今この瞬間歌を通していろいろと伝えられることが本当に幸せだと。また、こういう一期一会の大切な場でお客さんから力をわけてもらい、そこからまた歌に対するエネルギーや日々生きていく活力を得ていますと。そういう話を交えながら、話にまつわる歌を歌われるのですが、ぐっと感情が伝わってきます。
そうやって事あるごとに客席に感謝の気持ちを表しトークと歌で心を揺さぶりつつも、上手く笑いを交えて力を抜く瞬間を作ってくれるのですが、その辺の上手さはさすが関西人というところでした。終盤になると徐々に自分の目頭も熱くなってしまい(最近涙腺弱いです)、これ以上続けられると涙溢れるよーというところで上手く笑いを取ってくれるその流れ。完全にやられました。
今回自分が何よりも共感したのは、彼女のそのお客さんを大事にする姿勢でした。自分自身からメッセージを発信しつつも、お客さんが喜ぶモノ、期待するモノに、ちゃんと答えてあげる。そういう期待を裏切らないプロの精神を随所に感じました。よく、昔流行った歌を「歌い飽きたから歌わない」という歌手の方の話も聞き、それはそれで美学としてはアリだと思うのですが、今回の上戸さんじゃなくて綾戸さん(よく間違えられるそうです)は、お客さんの聞きたいだろう歌もきちんと歌ってあげる、そこは本当のプロだなと感じました。今や代表曲となっているThe Tennessee Waltzはアンコールの2曲目で最後に演奏されたのですが、それまで全く触れられなかったので「今日は聞けないのかな」と思っていたその矢先、最後の最後に演奏されて、聞いているこちらももう今日思い残すことはないなと満足感一杯でした。
ちなみにコンサート終了後の「皆さん、本日はご来場頂きまして・・・」のアナウンスもご本人が生で話されていたのですが、しっかりCDの宣伝も入っていて、つくづく面白いなと関心しっぱなしでした。あ、ちゃんとCD買いました。音源よりなにより直筆のサイン入りという所に惹かれて、我が家の宝にしたいなという意図もあって2枚も買ってしまいました(1枚は実家に郵送済)。久々にCD買った気がします。
今回、本当に感動をもらい、いい刺激を受けることができました。業種は違えども、自分も綾戸さんのような、人を喜ばせることができ、その人の為に頑張ることができる、そいういう仕事をして行きたいと改めて思いました。そもそも自分には何ができて、どう世の中に貢献できるのだろうかと。それって、社会人として生きていく上での大きなテーマですよね。
というわけで、機会があれば是非もう一度行ってみたいと思える、そんなコンサートでした。次回は3月にまた東京であるそうです。行けるかなー。