「Mother!」
2018.4.14映画
この映画を観るのはお薦め出来ない。しかし私は二度観た。
観ようと思った切っ掛けは実に安易だ。
よく利用する映画クラウドのお薦めが目に止まり、主演がジェニファー・ローレンス、ハビエル・バルデムと好きな俳優で、エド・ハリス、ミシェル・ファイファーといった渋いところが脇を固めているようだし、このメンバーがそう間違った映画には出演しないであろうという映画好きの勘でしかなかった。
スランプに陥っている著名な詩人の夫(ハビエル・バルデム)と、2人の家を修復しながら日々を過ごす妻(ジェニファー・ローレンス)。本編を通して、2人の名前が明かされることはなく、彼らが特定の人物ではなく、何かを象徴するメタファーであることを感じさせる設定だ。新しい詩が書けずに苛立つ夫と、そんな彼にどこか怯えながらも、家の壁を塗り替え、床の割れ目を補修し…安らかな幸せを築こうとする妻。そこへある日、夫が予期せぬ客人(エド・ハリス)を招き入れたことから、事態は急変していく。
中盤くらいからは気が狂いそうだった。しかし何かあるだろうと頑張って最後まで観た。というより途中で止める勇気はなかった。
そして「マザー」がなんであるか自分なりに理解した。
あなたにとっての【幸福】とは何か。
そんな問を監督から受けているように感じた。
観終わった後に書評など調べて、設定などが把握出来てまた不思議な気持ちにさせられた。日本ではロードショー公開されかった理由も類推出来る。
後で調べると、アロノフスキー監督は「何の予備知識もなく見てほしい」そうだが、ジェニファー・ローレンスは「事前にテーマがわかっていれば、少しは平常心で見られるはず」と言う。
奇しくも私は両者の想いを、そうとは知らずに実現してしまった。
「テーマ」が解った後に、我慢できずもう一度観てしまったのである。
あなたは、どうする。